今回は国産の映画(Vシネ)よりご紹介となります。1998年に製作された作品で、かの山田風太郎の出世作『柳生忍法帖』をベースとしたエロティックアクション【くノ一忍法帖 柳生外伝】というVシネに登場する堀一族の女達が今回の対象となります。
タイトルの通り『くノ一忍法帖』シリーズの1つで第七作に当たりますが、特に前作までとのストーリー的な繋がりは皆無であり、この作品単体で問題なく視聴する事が出来ます。
ストーリー背景は原作の通りで、一族郎党を加藤明成とその子飼いの会津七本槍に殺された堀の女達が、柳生十兵衛の助けを借りて七本槍と明成に復讐を果たしていくという物。一応知らない方の為に簡単な原作のあらすじを引用しておきます。
時は寛永19年(1642年)、悪逆の限りを尽くす暗君会津藩主加藤明成を見限った国家老堀主水は、一族を率いて会津を退転するという騒動を起こす(会津騒動)。明成は幕府の許可の元彼らを捕縛するが、それだけに飽き足らず、連行中に一族の女たちが匿われている男子禁制の尼寺東慶寺を強襲し、主水らの目の前で彼女らを惨殺する所行に及んだ。これを実行したのは「会津七本槍」と呼ばれる明成子飼いの家来だった。騒ぎは寺の後見人である天樹院千姫の出現によって収められるが、助けられ生き残ったのは堀主水の娘、お千絵を始めとする7人のみだった。その後、堀一族の男たちは処刑されたが、残った7人の女たちは加藤明成及び会津七本槍に復讐を誓う。千姫はそれを後援するが、彼女はそれに男の手を借りることをよしとせず、あくまで7人の女たちの手によってなされるべしと考える。しかし、敵たる七本槍はいずれもそれぞれの武芸に精通した達人ばかりで、そのままではとても彼女たちの手に負える者ではない…千姫に相談を受けた沢庵和尚は、反骨と無頼をもって知られる柳生一族の剣侠・十兵衛に堀一族の女たちの師範役を依頼する。おもしろい…としてその役を引き受けた十兵衛だったが、果たして彼は武芸の覚えすらない女たちに、恐ろしい武芸者たちである会津七本槍を討たせることが出来るか? そして、暗君・加藤明成に裁きを加えることが出来るか?
柳生忍法帖 – Wikipedia
この映画版も基本は原作の流れに忠実ですが、一部改変されている箇所があります。主にキャラクターの造形であり、この作品のメインと言える堀の女達と会津七本槍のビジュアルや設定に特徴的な改変が見られます。
キャラクターデザインにあの『コブラ』の寺沢武一が監修に入っており、その影響を受けて七本槍がまるで傾奇者の一団と見紛うような個性的な集団になっています(笑) そして堀の女達に関しても原作では十兵衛から指南を受けてようやく戦えるようになる素人でしたが、こちらでは何故か最初からくノ一(笑)
そしてこのくノ一集団が太もも丸出しのセクシー衣装である為、今回取り上げる対象とさせて頂きました。ただし正ヒロインであるお千絵(森山浩子)は何故かストッキングを履いているので、主に生脚で頑張ってくれてるそれ以外のメンバーが中心となります。
作品のディテールは以下のページをご参照下さい。
映画 くノ一忍法帖 柳生外伝 (1998)について 映画データベース – allcinema
鉄斎撃破
明成と七本槍に復讐するため、十兵衛の助力を得る女達。最初からくノ一の彼女らですが、七本槍も原作より強化?されており、彼女らが勝つには十兵衛の助力が必須です。
七本槍の1人、大道寺鉄斎に奇襲を仕掛ける堀の女達。奇襲は成功し鉄斎を倒すものの、メンバーの1人が道連れにされてしまう。いきなり1人脱落。山田風太郎の原作では素人のはずの堀の女達は最後まで誰も死なないご都合展開でしたが、むしろ原作より過酷な展開となっています。
ここでくノ一コスチュームのお披露目となりますが、舞台が夜のために暗くて見辛いのが難点。お千絵以外は生脚で太もも丸出しのコスチュームである事に注目。
七本槍との激闘
その後も戦いと復讐は進み、お千絵達は七本槍のうち平賀孫兵衛と具足丈之進の2人を倒す事に成功。鉄斎と合わせて3人の仇を倒すが、その戦いの中で仲間もまた1人犠牲になる。既に2人の仲間を失っており、原作よりよほど激闘感がありますw
ここで前半の「江戸花地獄編」が終わり、舞台は会津へと移り後半の「会津雪地獄編」に突入します。この作品、何と前後編に分かれているのです(笑)
忍法、女人袈裟
会津へと向かう明成一行を追うお千絵達。しかし偵察に出ていた2人が見つかり、七本槍の1人鷲ノ巣廉助に捕捉されてしまう。廉助の攻撃に翻弄されて転げ回る2人のくノ一の太ももが映えます。
廉助に敗れて捕らわれた2人はまるで袈裟のように、廉助の身体に括り付けられてしまう。この時逆さ吊りで捕らわれている2人の太ももががっつり丸見えで超エロい体勢です。
くノ一達を人質にされて手が出せない十兵衛達は廉助の攻撃を一方的に受ける。人質にされているくノ一達の心情を想像すると非常に萌えます。しかしその時くノ一の1人が忍法に覚醒して廉助を倒す事に成功する。うーん、もうちょっと人質のシーンが長くても良かったかな(笑)
余談ですがこの鷲ノ巣廉助を演じていたのは、後に試合中の事故で四肢麻痺になったプロレスラー高山善廣なんですね。今どうしているんでしょうか。
くノ一達の死闘
会津の街で二手に分かれて明成を撹乱するお千絵達。お千絵と他2人は香炉銀四郎と戦うが取り逃がしてしまう。一方分かれて戦っているもう2人は司馬一眼房と戦うが、こちらは一眼房の鞭の前に手も足も出ずに追い詰められる。
司馬一眼房は手強く、2人のくノ一は自らの命を犠牲にした忍法で相討ちとなる。この戦いはかなり過酷に描かれていて印象的でした。これで堀の女達はお千絵を含めても3人にまで減ってしまいました。何度も言いますが、味方は誰も死なない原作小説よりもよほど死闘してます。
磔のヒロイン達
堀の女達は銀四郎も倒し、これで残る七本槍は一人になる。だが紆余曲折を経てお千絵達は全員明成の手に捕らわれてしまう。十字架に磔にされて掲げられる3人のくノ一。十兵衛は敵の首魁である蘆名銅箔を倒して、お千絵達の救出に駆けつける。囚われたヒロインとそれを救出に向かうヒーロー。ここは非常に良いシチュエーションですね!
大勢の兵士達に囲まれて磔にされている3人のくノ一。非常に良質のシチュエーションです。特に両脇の2人は太もも丸出しなのがソソります。絶望に項垂れるヒロイン達だが、そこにヒーローの十兵衛が現れる。これもまた良いシチュエーションです。
虹七郎との対決
磔にされたヒロイン達を救出に来たヒーロー。十兵衛は待ち構えていた七本槍最後の1人、漆戸虹七郎と一騎打ちとなります。激しい斬り合いを演じる2人。磔のまま固唾を飲んで見守る女達。本来は仇として自分達が戦わねばならない相手と斬り合う十兵衛の姿を、磔で動けないまま見守る事しか出来ないヒロイン達の心情を想像すると非常に萌えます。
この後はヒロイン達が脱出して明成を殺してエンディングとなりますので、ダイジェストはここまでとします。原作(史実でも)だと明成は生存しているので、これも劇場版の改変点ですね。
終わりに
如何でしたでしょうか? エロティックアクションを前面に打ち出した作品ですが、寺沢武一のキャラデザによる個性的な敵キャラと原作よりも過酷な展開のため、普通に観てもそこそこ面白い作品に仕上がっています。そこに太もも丸出しのくノ一アクションと、最後の磔シーンが華を添えてくれます。機会あればぜひ一度ご覧になってみて下さい。
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