今回も古い映画のご紹介になります。1984年の映画で『DEVILFISH 邦題:死神ジョーズ・戦慄の血しぶき』に登場するヒロイン、ステラ・ディケンズ博士がなかなか良いダムゼル・イン・ディストレスぶりであったので取り上げさせて頂きました。
※年齢制限の掛けられている動画でこのページ内ではご視聴頂けないため、URLのみの貼り付けとなります。
版権元など作品のディテールは以下をご参照下さい。
ストーリー自体はジョーズにちょっとSF要素足したようなもので、ありきたりな海洋パニック物なので敢えて詳しくは解説しません(笑) ただ巨大な口にタコの脚がくっついたようなクリーチャーは独特の造型でこれは一見の価値はあるかも知れません。
ステラとピーター
海辺の街に謎の怪物が出現するようになり、被害者が出始める。怪物の調査をしていたステラは旧知の仲で腕利きの機械技師である主人公のピーターに協力を要請する。バイクに乗ったり、海中に潜ったり、麻酔銃を扱ったりと、ある程度アクティブなヒロインである事が窺えます(ここ重要)
ストーリーは進み、怪物が猛威を振るってステラの同僚も殺されてしまう。同時にその裏で怪物を作り出したと思しき黒幕が殺し屋を雇って、秘密に近づいた者達を次々に抹殺している描写も入る。彼等が次に狙うのは当然核心に迫っているピーターとステラだ。
ここまではさして特筆するシーンもないため飛ばしで来ましたが、ここからこの作品の見所(笑)であるヒロピンシーンに突入するため、かなり詳細な解説となります。動画では1:01:22の辺りからです。
水中の襲撃
海の怪物の正体にある程度迫っていたステラ達は調査用の機材を取り付ける為に海に潜ります。この時ピーターは全身を覆うウェットスーツなのに対して、ステラは露出度の高い水着のようなウェットスーツなのが対比的でエロいです。
作業を完了し船に戻ろうとするピーターとステラ。しかしそこに黒幕の雇った殺し屋達が2人迫ってきます。
敵は男二人で一見2対2に思えますが、アクティブなヒロインであるはずのステラは逃げるだけで役に立ちません(笑) ピーターは1人、敵に立ち向かって海中で激しく揉み合いになります。
縛られるステラ
海中には二人目の敵も現れ、戦いは増々激しさを増します。2人の敵と必死に戦うピーター。一方のステラは船の上から心配げに海中を見つめるだけ。元々アクティブなヒロインであっただけに、この対比が女性の弱さを表現していて良いです(笑)
しかしそんな彼女の元にも殺し屋が現れます。ミラーという男で、ここまでの作中で既に3人もの女性キャラを暴行して殺している冷酷なサイコパスです。ステラ大ピンチ!(笑) しかしその場ですぐに殺される事はなく、ミラーはステラを後ろ手に縛り上げます。当然為す術もなく縛られるステラ。
ここはすごく妄想が捗るシーンですね~(笑) 縛るという事はその場ですぐには殺さず、どこかへ連れて行こうとしているはずなので、どこに連れて行って何をするつもりなのか……。色々と脳内妄想出来ます(笑)
ピーターの奮闘
2人の敵を倒して船上に戻ってくるピーター。しかしそこでステラの悲鳴が聞こえてくる。その先にはミラーに縛られてもがいているステラの姿。ミラーがステラを縛り終えた隙をついてタックルを仕掛け、再び海中戦に突入するピーター。しっかり縛られてから放置されるステラ(笑) 素晴らしいシチュエーションです。
無力なステラ
海中でミラーと戦うピーター。激しくもみ合う2人の男と、船上で縛られたまま見ているだけのステラ。これでもかと言わんばかりのダムゼル・イン・ディストレスぶり(笑) 非常に素晴らしいシチュエーションと演出です。
海中で相変わらず激しくもみ合うピーターとミラー。それとは対照的に縛られたまま何も出来ずに身をくねらせているだけのステラ。対称的な主人公とヒロインの様子が交互に挿入される演出が、ステラのダムゼル・イン・ディストレスぶりを強調していて素晴らしいです。
縛られたままのステラは抵抗の手段がなく、もしミラーが勝ってしまったら、為す術もなくそのまま連れ去られるだけです。なのに自分は何も出来ずピーターが勝つのを祈って見ているしかないという状況。この、アクティブなヒロインが『敵に生殺与奪を握られているのに何も出来ず、主人公に自分の命運を委ねるしかない』という状況に最高に興奮します(笑)
しかしそんな状況に変化が……。この作品の主題である海の怪物が迫ってきます。
怪物襲来
暴れる怪物の触手で海に落とされるステラ。しかし当然後ろ手に縛られたままであり、泳ぐ事もできずに無様にもがくだけ。後ろ手の縄を自力で解く事もできず、その状態で周囲には怪物の触手がのたうち絶体絶命のピンチ。これもまた素晴らしいシチュエーションです(笑)
そしてそんなヒロインの窮状を見逃す主人公ではありません。ミラーが怪物に捕まって食い殺されたため、その隙にステラの元に向かいます。そして相変わらず自力では縄も解けず溺れかかっている彼女を抱きとめ、ナイフで怪物の触手を何度も突き立てます。怪物が怯んだ隙にステラを後ろ手に拘束する縄を切ります。結局自分では何も出来ず、全部主人公に助けられるヒロイン(笑) そのまま船の上に逃げ延びますが、敵と戦い続けてたのはピーターだけなのに、消耗して喘いで抱き起こされるステラ。まさにダムゼル・イン・ディストレスの鑑ですね(笑)
この先もまだ少し映画は続きますが、ほぼ見所はないのでダイジェストはここで終わりとします。
終わりに
如何でしたでしょうか? 映画自体はチープな作りですが、このヒロピンシーンだけはかなり気合が入っていて、私も何度もお世話になりました(笑) また怪物の造型も独特で、B級映画マニアなら意外と知っている人も多いという怪作となっています。
昨今の映画(に限りませんが)はとにかく『強い女性』が持て囃されて、何でも自分で解決して、1人で並み居る敵をなぎ倒し、主人公すら助ける事も多いスーパー無敵ヒロインばかりです。そういうのが好きな人達もいるでしょうから否定はしませんが、『それ一色』となると話は別です。程よく弱くて主人公に助けられるヒロインが大好きな人達もいるのです。男性に限らず女性にもいます。
自分の嫌いな物を『徹底的に弾圧してこの世から消す』のではなく、『見ない関わらない』の精神でお互いに境界線を引いて棲み分けが出来る世界こそが理想的ではないでしょうか。
※尚この作品『死神ジョーズ』は、『ジョーズ・アタック2』という邦題でDVDもリリースされています。
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