今回はまた映画からのご紹介になります。古くは1974年に製作されたTVドラマ『600万ドルの男』(1974~1978)及びそのスピンオフである『バイオニック・ジェミー』(1976~1978)の後日譚のような作品で、正式な邦題は『バイオニック・ウォーズ/帰ってきたバイオニック・ジェミー&600万ドルの男』となっています。両ドラマの主人公も同じ配役で登場しています。
今回取り上げたいのはこの『バイオニック・ウォーズ』の新ヒロインである、ケイトです。配役は後に『スピード』などで有名になるサンドラ・ブロックで、彼女がまだブレイクする前の瑞々しい肢体をセクシーな陸上コスチュームに包んで戦うアクションシーンがあったので取り上げさせて頂きました。
作品のディテールは以下のページをご参照下さい。
TVM バイオニック・ウォーズ/帰ってきたバイオニック・ジェミー&600万ドルの男 (1989) – allcinema
Bionic Showdown: The Six Million Dollar Man and the Bionic Woman (TV Movie 1989) – IMDb
大まかなストーリーは、上記IMDBの粗筋を和訳したものを貼っておきます。
スティーブ・オースティンとジェミー・ソマーズが帰ってきた。今回のスティーブは国際親善試合の警備に当たっている。
オスカー・ゴールドマン局長が彼のオフィスに行くと、侵入した何者かに襲われる。その後、スティーブは彼のセキュリティクリアランスが格下げされていることを発見する。彼とジェミーは、オスカーに起きた事件と、侵入した人物がO.S.I.のセキュリティ・プロトコルを知っていたこと、そしてその人物がバイオニックであることを聞かされる。つまり、誰かが大会で何かを計画しているのだ。
スティーブとジェミーが何が起ころうとしているのか探ろうとする一方で、オスカーは甥が負傷したことでO.S.I.を辞め、ルディ・ウェルズに甥の手術を依頼するも却下される。その後、彼は囚われの身となる。スティーブは将軍のもとを訪れ、試合にバイオニックを投入する必要があり、ルディの最新作であるケイトが最適だと告げる。
Bionic Showdown: The Six Million Dollar Man and the Bionic Woman (TV Movie 1989) – IMDb
新たなバイオニックの誕生
終盤の当該シーンまでは端折ったダイジェストで(笑)
スティーヴやジェミーは陸上大会で何らかのテロが行われようとしている事を知って、若きバイオニックであるケイト(サンドラ・ブロック)を潜入させる事になる。ケイトは事故により半身不随となっていたが、バイオニック手術によって健康以上の身体を手に入れる。
ケイトと二人の男
ケイトは政府の役人であるアランといい感じになるが、O.S.I.のオスカー局長の甥であるジムもケイトに思いを寄せていた。しかしスティーヴ達を狙ったテロに巻き込まれて、ジムは大怪我を負ってしまう。ケイトとジム、アランの間で若干三角関係チックな様子が描かれる。
大会に潜入するためのリハーサルを始めるケイトだが、ある日謎の暴漢達に襲われる。暴漢達はバイオニックの弱点を知っており、ケイトを無力化して殺そうとする。しかしそこにジムが救出に現れる。彼の怪我は犯人を油断させる為の偽装であった。
自分も騙されていた事で怒るケイトだが、最終的にはジムと和解して恋人同士になる。一方で犯人(悪のバイオニック)がアランであった事が明らかとなる。ここからが当記事の肝です(笑)
陸上大会開始
陸上の大会に潜入という事で、ケイトも陸上のユニフォームに着替えて参加するのですが、このサイトでも何度かご紹介しているように、陸上のユニフォームって基本的にかなりエッチいんですよね。時代が古いので今風のセパレートではないですが、それでもかなり食い込みが激しいハイレグワンピのユニフォーム姿のサンドラ・ブロックが存分に堪能できます。まだ無名時代ならではの役得ですね(笑)
バイオニックの力
競技の最中にアランを発見し、競技を抜けてアランのテロ行為を阻止するケイト。ここからクライマックスに入っていきますが、肝心の舞台がかなり暗くて、折角のケイトのユニフォーム姿があまりよく見えないのが極めて残念。
バイオニック対決
天井裏みたいなスペースに逃げたアランを追うケイト。そこで二人のバイオニックが対峙するが、先程も言いましたがとにかく画面が暗いのが残念です。結構良いアングルのシーンもあるのに、舞台が暗いせいであまり堪能できない(泣)
ケイトとアランの戦いが始まるが、やはり画面が暗いのと、変な照明の影で余計に見辛くなってて極めて残念。性別の差か、バイオニック同士の戦いはケイトにやや分が悪く押され気味なのがシチュエーション的に良いですね。
ヒーロー、ジム
配電盤のケーブルを使った攻撃を受けて吹き飛ばされ、そのまま気絶するケイト。とどめを刺されそうになるが、そこにジムが駆けつけてアランに飛びかかり乱闘となる。
ここが凄く良いシチュエーションでした。露出度高い無防備な衣装のヒロインが気絶している側で、それを守る為に激しく戦う男というのが良シチュエーションですし、そのケイトはバイオニックの力を持つ戦士なのに何も出来ずに気絶していて普通の人間であるジムに守られるというギャップも、ダムゼル・イン・ディストレス的に非常にGoodです。
アランはジムを投げ飛ばして再び逃走する。そこでようやく意識を取り戻したケイトはジムを引っ張り上げるが、彼に助けられたにも関わらず乱入してきた事を怒る。そしてジムの制止を振り切って再びアランを追っていってしまう。
助けられたくせにそれを認めない強気なヒロイン。ここも良いシチュエーションですねぇ。画面が暗いのだけがホント残念ですけど。
屋上での決着
アランを追ったケイトはビルの屋上部分に出る。ようやく明るい場所に出ました(ちょっと遅すぎた感はありますが)。ここで再び戦いが始まるが、せっかくバイオニックになったのに相手も同じバイオニックのためどうしても苦戦を免れないケイト。
この辺りも最近の作品だと単純に『強いヒロイン』が大暴れするヒロイン無双になりがちですが、この頃はまだ性差に基づいた描写や展開が多いのが(ヒロピン的には)良いですね。当サイトで取り上げる映画に80年代物が多いのはそれも理由だったりします(苦笑)
というかこのような超人的な強さを得た女性、いわゆる『スーパーヒロイン』物だと大抵敵も女性ばっかりになりがちですが(あの超ポリコレ凝縮作品のTVドラマ版『スーパーガール』が良い例ですが、他にも『Xena Warrior Princess』なども)この作品は珍しく敵が男性で、しかもヒロインより強いというかなりのレアパターンだったりします(笑)
アランに苦戦するケイトはまたとどめを刺されそうになるが、そこに再びジムが駆けつけてアランの注意を引き付ける。
この展開も良いですね~。強気にジムの制止を振り切ってまで追ったのに、結局またピンチに陥ってやはりジムに助けられるというのが、ダムゼル・イン・ディストレス的にも結構ソソる物があります。近年の何でも自分で解決しちゃう系?のヒロイン達では得られない成分です(笑)
最後はアランがジムに気を取られてる隙に落下死させるという形で決着がつきます。この時ケイトの艶姿を明るい画面で見られるのが非常にniceでしたが、やはり最初の暗い場面でのシーンが多かったのが返す返すも残念でしたね(泣)
終わりに
如何でしたでしょうか? 本文中にも書きましたが近年の女性アクション物は、とにかくヒロイン無双という感じでどんどんヒロピンとはかけ離れていっているのが現状です。アメリカはトランプ大統領が返り咲きますし、欧州などでもイタリアのメローニ首相など徐々に保守的な首長や政権が盛り返してきている印象があるので、何とかこっち方面も盛り返してくれると大変嬉しいのですがねぇ。カムバック、80年代の価値観!(笑)
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