今回は殆どの人が名前だけは知っているであろう超有名ゲーム、カプコンのホラーゲーム金字塔『バイオハザード』シリーズの無印リマスター版に登場する女性主人公、ジル・バレンタインのご紹介になります。
バイオハザードシリーズはナンバリングを重ねる毎にグラフィックや操作性が進化し、ホラーゲームというよりはガンアクションゲームという趣が強くなってきました。特に『5』以降はそれが顕著です。そしてクリスと共にシリーズを牽引した代表格たるジルも、人間離れしたアクションを繰り広げて並み居る怪物共をなぎ倒す『今風』のスーパーヒロインになってしまいました。
しかし……バイオハザードというゲームが初めて発売された当初はそうではなかったのです。今となっては考えられませんが、バイオハザードはホラーゲームの代表格として一世を風靡するくらいにはおどろおどろしい雰囲気のゲームで、操作性も悪く、クリスもジルも人間離れした強さなど無い『普通』の警察官でした。
今回ご紹介するリマスター版は当然ながらその無印をグラフィックや操作性だけを改善し、当時の雰囲気をそのまま再現した名作となっています。そして今でこそスーパーヒロイン化したジルも弱い女性として描かれており、ダムゼル・イン・ディストレスとして中々良い演出が多かったため、今回取り上げさせて頂きました。
上記のプレイ動画が画質も綺麗だったんですが、分割で全部で27もありましたので最初の#1だけ貼っておきます。もしプレイ動画をご覧になりたい方は、お手数ですがタイトル等で検索してください。ただし以下でも簡単なダイジェストだけはこちらでご紹介させて頂きます。
無印はかなり古いので意外とストーリー背景を知らない人もいるかも知れませんので、一応Wikipediaの解説を貼っておきます。
1998年夏、アメリカ中西部の地方都市ラクーンシティの郊外で、孤立した民家が10人前後のグループに襲われ、住民が食い殺されるという猟奇的殺人事件が発生した。その異常性にも反して犯人は特定されず捜査は難航。その後も犠牲者が続出したことで、事態を重く見たラクーン市警は特殊作戦部隊S.T.A.R.S.(スターズ)に出動を要請する。7月23日の夜、同部隊のブラヴォーチームが街郊外のアークレイ山地にヘリで捜査に向かったが、その後通信が途絶え、チームは行方不明となってしまう。翌日24日の夜、主人公クリス、ジルの二人が所属するアルファチームがブラヴォーチーム捜索のため現場へと向かい、墜落したヘリとパイロットの遺体を発見。直後、皮膚の至る所が腐り落ちた、異様な姿の野犬の群れに襲われてしまう。この時アルファチームも隊員の一人ジョセフ・フロストが死亡、もう一人が行方不明となり、ヘリで待機していた隊員ブラッド・ヴィッカーズは恐れをなして、仲間を置いたままヘリで飛び去ってしまった。残された隊員たちは森の中を逃げ回るうち、一軒の古びた洋館を発見してどうにか逃げ延びることができた。
バイオハザード (ゲーム) – Wikipedia
オープニング、ジル登場
オープニングのムービーシーンでは、まだ初々しい(笑)ジルの姿を見られます。仲間がゾンビ犬に食い殺される様を呆然と眺めるだけのジル。ゾンビ犬は彼女にも襲いかかってきますが、クリスがゾンビ犬を銃撃してジルを助けます。いやぁ、ヒロインしてますなぁ(笑)
その後ゾンビ犬に追われながら洋館に逃げ延びたのはクリスとジルの他、隊長のウェスカーの3人のみです。ここからゲームがスタートします。
ジルの失踪
洋館に逃げ込んだ3人。他のメンバーは全員行方不明のようだ。その時館の奥から物音が聞こえてきた。クリスが様子を見に行く事になるが、この時ジルが「気をつけて」と声をかける。これが凄くヒロインぽくてGoodです。
様子を見に行った先でゾンビと初遭遇するクリス。倒すなり逃げるなりして戻ってくるとそこはもぬけの殻で、ジルの姿はない。代わりに彼女の銃だけが落ちている。ここからゲームの本格的な洋館探索がスタートします。
尚ここはゲーム自体を紹介するサイトではないのでネタバレすると、ジルはウェスカーに裏切られて捕まってしまい、最終ステージである研究所の独房に閉じ込められています。ゲーム内容によって再会・救出ができます。
クリスの冒険と激闘
その後はひたすら探索を進めていくクリス。本来は同じ主人公であるはずのジルが何も出来ずただ独房に閉じ込められている間に、クリスはレベッカやウェスカーらと再会したり、ゾンビを始めとしたTウィルスによって変異したクリーチャー達と次々と死闘を演じたりしていく。この2人の間の落差がジルのダムゼル・イン・ディストレスぶりを強調していて萌えます。(因みにこのゲームは主人公選択式ですが、続編に繋がる『正史』はクリス主人公のパターンとなっていますので安心して(笑)萌えられます)
研究所の電子ロック扉
そして長い探索と死闘を潜り抜けたクリスは隠された研究所に辿り着く。ここでクリスはジルが監禁されている独房に通じる扉を発見する。頑丈な電子ロックの扉で、しかも横にそのロックを解除する為の解除レバーが3つ並んでいる。まずはこの3つのレバーのロックを全て解除してレバーを操作しないと、扉の電子ロックが外れない仕組みになっているのだ。
レバーのロックを解除するには、研究所のそれぞれ別々の場所にある送信機を見つけ出してパスコードを送信しなければならない。一つの送信機につき一つのレバーのロックを解除できるという仕組みだ。更にパスコードを送るにはこの送信機にMOディスクというアイテムを挿入しなければならないのだが、このMOディスクも3枚あり、これまでの長い探索行で厳重に隠されているこのディスクも3つ見つけて入手しておかなくてはならないのだ。
ディスクと送信機。それぞれ3つあるこれらを全て見つけて一つずつロックを解除していく事で、ようやくジルの監禁されている独房に通じる扉の電子ロックが外れる仕組みだ。恐ろしく難解で困難な救出行程となっている。この『ヒロインが自力では絶対に脱出できず、尚且つ主人公が助け出す行程も困難』というシチュエーションは非常にそそられる物があり、色々な妄想が捗ります(笑)
囚われのジル
そして探索と戦いの末にようやく全てのロックを解除してジルの元まで辿り着くクリス。その先の独房にはジルが閉じ込められていた。難解な探索行や様々なクリーチャーとの死闘を経てきたクリスと、ただずっと独房に閉じ込められているだけのジル。再度書きますが、この両者の格差がジルのダムゼル・イン・ディストレスぶりを強調していて、本当に萌えるんですよねぇ。
厳重な電子ロックの扉だけでなく、レトロな鍵による金属扉もありこの場ではジルを救出できないクリス。「必ず戻ってくるから待っていろ」というお約束の素晴らしい台詞と共に再び探索に戻るクリス。それを見送って再び待つ事しかできないジル。最高のシチュエーションです(笑)
独房にジルを残して探索に戻ったクリスは、研究所の奥でウェスカーに遭遇。彼はアンブレラ社のスパイであり、口封じにクリスを殺そうとする。しかし暴走した生物兵器タイラントによって逆に殺されてしまう(実は生きてますが)。クリスとタイラントの対決が始まる。
ジル救出
タイラントとの死闘を制して、ウェスカーからマスターキーを手に入れたクリスは、ジルの元に向かい独房の鍵を開けます。ここでようやく救出完了となります。ゲーム開始時に洋館のロビーで別れて以来、長い探索と激闘の末にようやくジルと再会し救出を果たしたクリス。一方でジルはただずっと独房に閉じ込められていただけ。
同じ主人公であり警察の特殊部隊としてクリスと一緒に洋館に乗り込んだはずなのに、蓋を開けてみればゾンビ一体さえまともに見る事も戦う事もなく独房に閉じ込められていただけで、クリスとは経験面で大きく差が開いています。何度も言います。このゲームにおけるダムゼル・イン・ディストレスのミソはここに尽きると思います。
この後はワタシ的には若干蛇足(笑)になりますが、一応画像でのみ簡単に紹介しておきます。
最後の戦い
終わりに
紹介は以上になります。如何でしたでしょうか? 誰もが知るホラーゲームの金字塔『バイオハザード』ですが、恐らくこのような視点(笑)でこのゲームを楽しんだのは自分くらいのものでしょうw もし他にも同じような趣味嗜好の方いらっしゃいましたら、ぜひ一度ご自分でもプレイしてみて下さい。きっと新たな気持ちでプレイできるはずですので(笑)
※商業的に仕方ないんでしょうが、バイオハザードシリーズにはこの路線を継続して欲しかった……
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